Profile

Secret Goldfish(シークレット・ゴールドフィッシュ)

1990年9月大阪で結成、京都・大阪を中心に活動を開始。結成時のメンバーは三浦出(vo.g)中畑謙(g)近藤進太郎(dance)フミ(b)三浦立(dr)。

メンバーが単身で渡英し、直接デモテープを4ADやクリエーション等のレーベルに持ち込む。それがきっかけとなり、90年12月英4ADのアーティストLUSHの依頼により大阪MUSE HALLでオープニングアクトを務める。その後ベースのフミが脱退、山本アキオ(b/現AUTORA、TANZMUZIK)、宮城健人(syn,sampler/現デフラグメント代表)が加入。京都や大阪で多数のクラブ・イベントに出演、日本でもいち早くインディー・ダンス、マンチェスターといったサウンドを展開し、まだ黎明期にあったクラブ・シーンとリンクするバンドとして大きな注目を集める。

1991年ワンダーリリースより12インチ・シングル「MARY MARY / ALL NIGHT RAVE」でデビュー、オリコンインディーズチャート初登場1位。英CANDY FILIP、英WONDER STUFF、英SHAMEN、英Swervedriver等のオープニングアクトも務める。同年10月、1stアルバム「My nine secrets」発売、オリコンインディーズチャート初登場1位。東名阪のクラブクアトロツアーを決行。

92年4月2ndアルバム「HONET TO GOD」発売。ヒステリックグラマーの北村信彦氏が以後のアルバムジャケットのデザインワークをする事になる。
5月、原宿ルイードでのライブを最後に近藤進太郎、中畑謙が脱退。ギターに渡部和聡、ベースに山賀周が加入。拠点を東京に移す。
1993年10月3rdアルバム「TASTED THE BEE」発売。ギターに長塚大地が加入し94年4月4thアルバム「POP69」をビクターAjaより発売。

彼等の音楽は60年代のロックが持っていたエバー・グリーンな感覚を90年代のスタイルで展開したサウンドだった。それはセカンド・サマー・オブ・ラブという時代を作った多くのUKインディー・シーンのアーティストとも長い距離を隔てていながら響き合っていた。

小泉雅史氏による1991年のライナー・ノーツ
(CD:My Nine Secretsより)



シークレット・ゴールドフィッシュはこの先いったいどこまで成長するのだろう。僕はこの若いロック・バンドの可能性について考えるだけでワクワクしてくる。まだ20歳そこそこという彼らに初めて会ったのは去年(90年)の終わり頃だった。イギリスから来日していたLUSHのインタビュー取材の際、日本コロムビアのロビーでメンバー2人(三浦出+中畑)に突然デモ・テープを手渡されたのだ。僕はこのバンドの存在自体まったく知らなかったが、聞けば彼らはLUSHの大阪公演のフロント・アクトを務めたのだという。しかもこの大抜擢は、メンバーが渡英した際、直接4ADにデモ・テープを持っていって気に入られたことがきっかけだったようだ。今の若い奴にしてはスゴイ根性!?僕はデモ・テープを聴く前からこのバンドに興味を持ってしまった。彼らからもらったデモ・テープには“ステッピン・ストーン”の2ヴァージョンを始め4曲ほど入っていたと思う。演奏はハッキリ言ってお世辞にもうまいとは言えない。しかし、イキイキとしていた。僕は一度彼らのライブを観てみたいと思い、川崎チッタで予定されていた“REMIX NIGHT”(5/2)にヴィーナス・ペーターとともに出演してもらうことにした。彼らのライヴは東京近郊では初めてだったと思うし、おそらくチッタ・クラスのデカい箱で演奏するのも初めてだったと思う。しかし、そのステージは予想以上に素晴らしかった。まだまだ荒削りとはいえ、ヘタなマンチェスターのインディー・ダンス・バンドなんかフッ飛ぶくらいのグルーヴ感があった。ロックだろうがハウスだろうがまったく屈託なく自分たちの音楽の中に取り込んでしまうところに彼らの可能性を感じた。

あれから半年足らず、彼らは早くも待望のレコード・デビューを飾る。しかもフル・アルバムで。『My 9 Secrets』と題されたこの作品には、彼らのこの半年間の成長ぶりが集約されている。デモ・テープを聴いた時に感じられた当時流行りのマンチェ・ロックの影響は次第に薄れ、より自信に満ちたオリジナリティー溢れる演奏へと向かっている。そして、このバンドの最大の魅力とも言うべきサイケデリック/アシッド・グルーヴには益々磨きがかかり、60年代後期のオリジナル・サイケデリックをちょっと知ってるつもりの僕のようなオヤジにも“ウ~ン、シブイ”とうならせてしまうだけのパワーを感じる。この若さにしてこのサウンド・・・・それはまるで僕らがライドに対して思う気持ち、つまり彼らがこの先どこまで成長し続けるのだろうかという期待感を抱かせる。恐るべき子供たち、シークレット・ゴールドフィッシュ・・・・・僕は彼らが海外でも通用するようなスケールの大きいバンドに成長してくれることを心から望んでいる。

小泉雅史(REMIX)